クラカメさんぽ Vol.2
カメラ
コラム
写真家 緒可夢羅の気まぐれコラム
今回はRICOHカメラ
RICOHFLEX MODELⅦ
RICOHFLEX Ⅶ 絞りf8.0 ARISTA.EDU ULTRA 400(結果として多重露光になった)
「商店の焦点」
リコーフレックスのⅦ型で撮影した失敗写真。
実はこのカメラ、レンズの動きの悪さやスローシャッターに問題があったので分解清掃した個体なのだがテスト撮影した時の写真がこちら。
ちゃんと綺麗に清掃したつもりだったのに、まだ正常な状態では無くまだシャッター羽に汚れが残っていたらしい。
シャッターの動き出しが遅くなっていたのだ。
レバーを押し込んだが、「あれ、シャッターが切れてないぞ⁉」と勘違いした僕は2回目のシャッターを切ってしまう…
結果が上の写真。
意図しなかったがなかなか面白い絵になったなと思う。
グルグルする木や草の中にお店。
なんか家のような物が写っているなぁ‥・もしかしたらお店かな、と思うくらいの状態。
もっとハッキリお店が描写されていたら良かった。
まぁこれは狙ってないから仕方ないとして、次はあえてこういう風に撮ってみたいと思わせるカットになった。
それというのもこのカメラ、多重撮影がとてもしやすいのだ。
フィルム送りとシャッターチャージが別々の操作になっている為、1回フィルムを巻いてシャッターを切る、そしてもう一度シャッターを切る。
この動作をすることでフィルム面に2回露光されるというワケです。
そのときの露出は2回切るから2回分の明るさでフィルムに露光され結果オーバーになる可能性あるので、多重露光をやると決めたら1回づつの露出決定はアンダー目にしよう~。
「ローライフレックス」などの高級機には「セルフコッキング」とい機構がありフィルム巻上げとシャッターチャージが同時に行われる優れた機構。
そのため多重露光をする場合はフィルムが巻きあがらないようにクランクからギヤを外す機構があるタイプはそれを外さなければならない。
このようなブローニィフィルムを使用する中判カメラはフィルムフォーマットが大きいので大伸ばしプリントには適してるがやはり三脚でしっかり固定して撮影した方が良いね。少しのカメラブレでも大きくプリントした時に出ちゃうから~
このカメラは約6㎝×6㎝のサイズで撮影されるので一般的な35㎜と呼ばれるフィルムの約4倍の情報量をもつフィルムだから繊細な表現をしてくれる。
また真四角に写るのも面白い。
縦長や横長で撮影するカメラと違って撮影スタイルはだいたい真上からのぞくのが一般的で、あたりまえだけどカメラを横にしたり縦にしたりする必要が無いから撮影スタイルがスマート。
被写体に目線を向けなくて良いので四角いファインダーの中でアングルに集中出来るし、ファインダーに目線があれば周りの雑踏はほとんど感じることなく静かなシャッター音でそっとその場を切りとってくれる。そんなワケで街スナップなんかはとても出番が多い。
更に見た目もクラシカルで気に入っている。
自分は過去にはYASHICA 124Gやローライフレックスの2.8Fなどの中判カメラは何台も使用しては通り過ぎて行った。今はローライフレックス3.5Fの1台のみとなっているが2眼レフはいつの時代も所有していたい心の癒しのカメラ。
なんといっても優しいシャッター音と柔らかい描写に魅せられてしまっているから僕に必要なカメラ。
今回、初めてのリコーフレックスⅦの試写をしてみて期待したのはなんといっても「写り」。
富岡光学製のレンズというウワサなので日本のツァイスといわれる富岡製なら期待が高まる訳です。
RICOHFLEX Ⅶ 絞りf8.0 ARISTA.EDU ULTRA 400
「名車再生工場 STEPエンジニアリング」
僕がちょいちょいお邪魔して撮影させてもらっている自動車整備工場。
社長が若く気さくな方でとてもお話ししていて楽しくついつい会いたくなってしまう。
北海道札幌市南区北ノ沢の道道82号線沿いにあり、数々のスバル360や旧車が並んでいるのでさりげなく通ってもどうしても目に入り込みます。
時代をさかのぼり迷い込んで来てしまったかのような場所。
以前よりこちらの存在は知ってはいたのですが、初めて伺ったのは4~5年前と思います。その時に興味ある旧車の撮影許可をもらって数台撮影させて頂きました。
購入よりも撮影したいという想いが優先でしたので最初は勇気が必要でしたがお話ししてみたらとても気さくな代表の水田様でした。撮影許可だけでなく色んなお話しをしてくれました。
レースもやってるんだよね~など興味ある話たくさんしてくださいました、本当にいい方だなぁ~嬉しかったです。
その後コロナの流行があって伺うのは少し遠慮していましたが今回この記事を書くにあたりそっと撮影させて頂きました。
言わずと知れた名車「スバル360」奥にあるのはスバル1000です。
こちらの写真はしっかりと撮影できているので多重露光になっていませんので安心してください。(笑)
コントラストもしっかりとあり立体感があり良い描写と思います。
もしかしたら逆にもっと眠たい感じ、言い換えるとコントラストの低いぼんやりとした絵の方がその時代っぽいのかもしれない。
それともょっとピンボケさせるか…邪道だという人もいるけれど色々やってみて面白い方を選択したいね、…レンズに息をふきかけ少し曇らせるという手法もある…
カメラの正しい使い方はあるけど、そうしないと壊れるから、
写真の撮影表現に正しいも間違いもないのだから自分が良いと思った事をやれば良いです。
今回の撮影で12カットあったのですが正常な状態ではなかったために多重露光が頻発しシャッタースピードも適正で無い時がありちゃんとした写真をたくさんお見せ出来ませんでしたのでもう少し清掃しもしかしたら整備してまた撮影、レポートやります。
ポジフィルムで撮ってもおもしろそうだ。
コンパクトで軽い、シンプルな機構で写りも期待のこのカメラ。
魅力ある2眼レフです。
写真家 緒可夢羅
RICOHFLEX Ⅶ ANASTIBMAT F3.5
発売年月 | 1954年(昭和29年)2月 |
発売時価格 | 8,300円 1955年より6,300円 |
レンズ(3群3枚) | 80㎜ アナスチグマット |
ビュワーレンズ3群3枚 | 80㎜リコービュワー |
絞り羽根枚数 | 2 |
セイコーシャッター | B~1/500 |
幅x高さx奥行き(mm) | 72.5x 183×110 |
質 量(g) | 780 |
フィルム | ブローニー(120)6×6判 |
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