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テクニカルリポート

クラカメさんぽ Vol.3

カメラ

コラム

フィルム

写真家 緒可夢羅の気まぐれコラム

今回はフィルムのお話し

ロモグラフィー パープル


LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf8.0 小樽


「夏のまぼろし」

ここは異星か夢の中か、

この画像を見ると「加工したものだろう」…なんて普通は思ってしまうと思う。
今の時代なら普通は「デジタル撮影」と決めつけて見てしまうだろうね。

ご覧の通り…
ほんとうにパープルに発色する。
当たり前のようだだけど現像を見るまでは半信半疑っていう程でもないけど少しは本当かな~なんて疑っていたかも知れない…

空の青なんかは実際はもっと濃い青、夏の青空。
この写真の空は退色した青っぽく、古くなって色褪せたプリントでこんな空色になっているものを見たことがある。

しかし写真の全体を見たときに、間違った色フィルターをかまして撮影したのか!?、とも一瞬思わせるが、でもやはり違うなぁ~って感じで、やはり「パープル」と言うしかないのだろう。
とても興味深い色を出してくれるフィルム。

この「ロモグラフィー パープル」はれっきとしたネガカラーフィルムで、普通にカメラのキタムラで現像もプリントも出来ちゃうものです。

これから紹介する写真はすべて”ライカとズマロン”の組み合わせで撮影したものだが、チューリップの色やディテールの立体感がとてもイイ。

もちろん撮影レンズの持ち味が出ているとも言えるが、やはり色調によるコントラストともいうべきか、このフィルムの表現力はなかなかすばらしいと思う。

この撮影地は、小樽の手宮公園内で奥に行くとある手宮緑化植物園。

小高い場所で少し先に行くと海も見えるところ。

一面に花が咲き誇っていて一角には神社もあり歴史があるだろうと思われる。

割と時間があって天気が良いとついつい小樽に来てしまうのだが、いつもは街並みの方へ行くのだがこの日はあることを思い出してこの公園に来てしまった。

というのは、中山美穂主演映画のロケ地で使われた坂道があるのだが何気に行ってみたくなったのでその方面へクルマを走らせる。

ちなみに…映画は岩井俊二監督「Love letter」。中山美穂の少女時代を酒井美紀が演じていて、小樽と神戸を舞台にしている。中山美穂は小樽にいる「藤井樹」と神戸にいる「渡辺博子」と二役を演じている。他に豊川悦司や柏原崇、鈴木蘭々などが出演していて自宅のVHSで年に何度も観てしまう映画です。

特に中山美穂のファンというのでは無かったけれどカーコンポでは良く聞いていましたね。

若い頃のミポリンは無敵のアイドル。車内の音量上げてワクワクしてたな~

映画「Love letter」のフジテレビムービー公式サイトリンクはこちら

そのロケで使用した細道を抜けて更に奥に行くとこの公園はある。

植物園内はかなり傾斜があり、遠くを眺めると海もみえる場所。

ちょっと小さい子供を遊ばせるには危険を感じる。一度転んだものならコロコロと転がってどこまでも行ってしまいっそうで…

小樽市公式ホームページのリンクはこちら

手宮緑化植物園のリンクはこちら


LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf11 小樽


「夏の記憶」


この彩度でみると何やら不安な感情になります。

この感じは、暑い夏ってだけじゃなくどちらかと言うともっと暑くて…これは灼熱かもね。

映画の恐怖シーンとか、ちょっとグロテスクな描写のときに色をモノクロにしたり、暗い赤にして恐怖心をあおるみたいな表現があると思うけど、この色はそれに近いと思う。

今回はカラッとした晴天だったけど雨天でも試してみたいね。湿度を感じる描写で。

そんなふうに見てると何かの危険が迫ってきて高台に避難してきたようにも見えてくる。

本当は、この時はとても暑くて「ちょっと休憩、水分補給してね~」「わーい」みたいな…保育士さんと子供たちの賑やかな声が聞こえていて、ただ微笑ましいだけのワンカットなんです。


色で何かを表現するにはとても面白そうなフィルム。

この色調にあった撮影にチャレンジしたくなります。


LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf11 小樽

「咲き乱れる社」

横溝正史の世界観で言わせてもらうと、 悪霊島か八つ墓村のワンシーンにありそうなかな~と今見たらおもうけど撮影時は木の造形が素晴らしいと思ってシャッターを切っている。

なんとも雰囲気のある神社です。取り囲む木々も荘厳です。この神社も公園内にあります。

この階段から園児たちが降りてきました。

どうやらお帰りのようです、きっと近くに幼稚園とかがあるんでしょうね~


「あ-きれいにさいてる-」「気を付けて階段おりてね-」

と賑やかでした。通りすぎてからライカでそっとシャッターを切りました。





LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf11 小樽


「廃校」

コンクリート造の校舎。


一見、廃校と言わなければわからないほどの外観かもしれないが良く見ると玄関にはベニヤ板で目張りされている。

生徒が居そうでいない、賑やかな声が聞こえそうで聞こえ無い、不思議な空間。

みんなどこかへ消えたみたい。ひと気は無い。木々の花は満開で虫の鳴き声は盛ん。


モノクロでも良いと思うが「パープル」も結構良いと思う。この色のお陰でなんとなく意味のあり気な写真になったのではと感じている。


後でみたら画面の上の左右にある鉄線が気になる、撮影時には気付いていないんだなコレ。

ある写真家いわく「四隅を撮れ」とあるが、まさに四隅を意識すればあるいは気付いたかも…





LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf8.0  石狩某所


「忘れられたのは存在か思い出か」

放置されて何年も経っているバイクと船。

何年も通っている撮影ポイント。

おそらく以前はお店でドリンクや軽食等を提供していたと思われる店舗。そのお店の横にこの場所はある。


以前はバイクは倒れておらず、もっとちゃんとスタンドで自立して起きていた。いつの間にかタンクが無くなっていたりシートが無くなっている。あまりにも無防備だから誰かに持っていかれたようだ。

それに比べて、奥にある船もずーっと放置されているが意外と朽ち果てた感じは無い。さすがに船なんですね~雨風につよい。

おまけでもう一台バイク。


LEICA M3 ズマロンf2.8 メガネ付 絞りf11  某所

「朽ち果てたバイク」


燃えたの?って思わせる姿。


これも経年劣化によるサビ、ゴムなどが日光にさらされて消滅していったようです。

なにを隠そう、この車体も何年にもわたり見てきたから朽ちていく様子を長いスパンで確認済。


家と一緒でオーナー不在になると急にだめになっていくのかな、

大事にしたいですね、どんな理由があったんでしょうかね~



僕はこの「Leica M3」を大事にしていますよ~。

NIKON DF Autoニッコール 50㎜ 絞りf4.0


「僕のM3」



写真でやっていこうと思い立ってからようやく「仕事」としてカメラマンと言っていいくらいになった頃に自分への決意として購入したものです。


写真の仕事を始めて20年になり、このLeicaは購入して16年になります。

もちろん新品購入ではないです。

以前調べたことがあるのがカメラの年式です。シリアルNoから判るのですが、たしかこのライカ僕の1コ上の先輩になる年齢だったと思います。

そうなると何とかして同級生ライカを見つけたくなるもんです。


そんなこんなで、このカメラについては色々とお話ししたい事がありますが、それはまたいつか…

装着レンズは「Summaron 35㎜ f2.8」今回のお題の「ロモグラフィー パープル」との組み合わせです。またこの「ロモグラフィー パープル」、ツァイスレンズとの組み合わせなんかも楽しいと思う。

もっとコントラスト高めな描写になって更に異次元だったと思う。


フィルムとレンズの組み合わせは無限的にできるので楽しみが尽きない。

少し新製品が出てきたりしてこれから再熱すればまだまだ楽しめそう。


このフィルムは面白くて、ロモクロームなんて大きく書いてあるけどちゃんと「ネガカラーフィルム」でおまけにISO感度は100~400の範囲で撮影可能というユニークなフィルム。


面白いから是非使ってみて!

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